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REPORT & TOPICS

2025.04.16「ラグビーは脳を鍛える ノーベル賞も取れる」平成9(1997)年卒 谷口 誠

元ジャパンの著名選手や関係者らからも「厳しくも愛のある」ラグビー記事が絶賛・信頼されている現役ラグビー記者

 

高校生となった皆さん。新しい環境で何をしようと考えていますか?

勉強をしたい。友達と遊びたい。ゲームもしたい。部活動してる暇なんかないよ。そう考える人も多いと思います。

通学だけで時間がかかる人も多いでしょう。僕も片道1時間半かけて通っていたので、気持ちはよく分かります。

まして、痛くてしんどそうなラグビーなんか論外。そう感じるのも当然です。ただ、知っておいてほしいことがあります。

「ラグビーは脳を鍛える」ということです。

運動が脳にいい影響を与えることは、様々な研究で示されています。アメリカの医学者が書いた『脳を鍛えるには運動しかない』という本があります。運動中に体内でできるホルモンには脳の神経同士の結びつきを強くし、長期的な記憶力を高める効果があるそう。少し軽めの強度で行う「有酸素運動」には、記憶力を良くする細胞をつくる作用があるとも書かれています。

部活をしたら勉強時間が減るから意味がない。そう思う人も多いでしょう。しかし、人の行動は単純な算数では測れません。

ベネッセ教育総合研究所が、中学・高校生の生活状況を調べています。コロナ禍で部活が制限されました、代わりに増えたのはスマホやテレビなどを見ている時間だけ。勉強時間は変わりませんでした。

僕が膳所高生だったときも、勉強に専念しようと部活をやめる同級生がいました。でも、成績が上がった人の方が少なかった気がします。「最後まで部活をしていたら良かった」と今、後悔している友達もいます。

時間に余裕ができると、かえって勉強の「質」は上がりにくい。そういう場合もあります。

ラグビー日本代表として活躍した福岡堅樹さんを知っているでしょうか? 2019年に日本で開かれたワールドカップで俊足を生かしてトライを取りまくった人です。この大会の後に現役を引退し、順天堂大学の医学部に合格しました。

高校時代から文武両道で鳴らした福岡さんにとって、ラグビーと勉強を両立させるには「切り替え力」が重要だったそうです

著書などで、「効率を最大限にするために有効な手法が『切り替え』と『集中』」、「トレーニングを切り替えのタイミングとして生かせたのが大きいかもしれません」と語っています。ラグビーをすることがむしろ、勉強の集中力にもつながったそうです。

僕自身の経験からもそう思います。現役時代に受験に落ちて浪人しました。時間はたっぷりあったのに、逆に勉強に身が入らず、秋の模試は現役時代より成績が低下。最後に巻き返して合格できたのは、ラグビーで培った「切り替え力」が生きたのかも。今となってそう感じます。

「切り替え力」などの力は、「非認知能力」と呼ばれます。テストなどで測れる学力とは違うもので、コミュニケーション力や協調性、物事をやり抜く力などが挙げられます。何かの分野で結果を出すにはこうした能力が重要として最近、注目されています。

非認知能力を学べる場がスポーツであり、中でもラグビーでしょう。

ノーベル賞受賞者の山中伸弥さんという医学者がいます。再生医療を大きく発展させた、iPS細胞を見つけた人です。

研究は1人ではできない、いかに他の人と意思疎通をしながら進めるかが大事。そう語る山中さんは、大学時代のラグビー経験を踏まえてこう強調します。

「コミュニケーションはその機会を多く取ることも大切だけど、やろうと思わないといけない。(相手は)分かっているやろうけど言う、その辺がすごく大切。ラグビーはそういうことをすごく学ぶことができる」

ノーベル賞につながる研究成果を出す上で「ラグビー経験はものすごくありがたかった」そうです。

ラグビーは、野球の大谷翔平選手のように1人で試合を決めることはできません。監督の指示なしに、15人の選手が自分たちの判断でプレーをする。そのため、他の競技よりチームワークや自主性が問われます。コミュニケーション能力のような非認知能力を学べる効果は大きいと考えられます。

なぜラグビーをするといいのか。いくつか述べましたが、他にも理由があります。純粋に楽しいということです。

自分の頭で考え、相手と全力でぶつかり合う魅力、仲間との一体感は、他の競技にはちょっとないものだと思います。僕の場合、それが行き過ぎてラグビーやスポーツに関わるメディアの仕事をすることになってしまいましたが。

同級生に誘われ、膳所のグラウンドで楕円球に触れたことは、僕にとって人生で最大の出会いの一つでした。多くの先輩、後輩が同じように感じているでしょうし、これを読んでいるあなたもいずれ、そうなるかもしれません。

20221025【ラグビーマガジン2022年12月号掲載】ZRFCマスターズ出場記事(ZRFC1997卒・谷口誠)

※ラガーマンの永遠の必読バイブル「ラグビーマガジン」を皆さん、愛読しましょう!ラグビーマガジンさま、転載許諾をいただき、誠に有難うございます。

 

転載:野口(1985卒)

2025.04.15「ランパスはマネージャーの私が一番上手」昭和63(1988)年卒 マネージャー 藤本 経子

中学時代陸上部で800mを走っていましたが、足を故障したため高校では陸上はしないつもりでした。中学の先輩からは「マネージャーでもいいから」と誘っていただきましたが、自分が走らないのに入部するのもなぁ、と思い、どうせ自分が選手にならないのなら、違うスポーツで、中学時代から好きだったラグビーのマネージャーになってみよう!という動機で入部しました。なぜか陸上部のメニューでランパスがあり、監督から「一番うまい」とほめられていたんです。

卒業後、ラグビーはテレビ観戦をする程度でしたが、毎年末に開催されていた忘年会にはちょくちょく参加していました。いつ行っても一瞬で高校時代の感覚になるのが面白いですね。

ZRFCで繋がっている同じ仲間なので何か安心します。年を取ってもこうやって繋がりが続くのが良さだと思います。

新入生の皆さん! 動機は何でもいいですよ! 選手でもマネージャーでもぜひ一歩踏み出して仲間になりませんか?

転載:野口(1985卒)

2025.04.14「無謀? トライしようよ」昭和50(1975)年卒 礒田 典理

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。

皆さんは、これからの高校生活3年間、勉強はもちろんのこと、先生方、友達とのかかわりや学校のイベントなどを通して多くのことを学ばれ、経験することで成長されていくことと思います。

特に、高校生活で班活動は大きな位置を占めており、どこに入ろうかと思案されている人も多いのではないでしょうか。

昨年10月にマスターズ花園という、皆さんにとっては、お父さんやお爺さんぐらいの方が参加する大会があり、私も参加することになり、50年ぶりに膳所高校での練習に参加しました。

グラウンドに立って何十年ぶりにボールをパスしたり走ったりしていますと、高校時代の記憶が少しずつよみがえってきました。そこで、当時の自分がどのようにラグビー班を選んで、どう感じたかをお伝えし、どこの班を選ぶかの参考になってもらえたら、という思いから書いております。

できれば、ラグビー班を選んでもらえることを期待しております。

実は、私は右股関節に子供のころから障害があり、中学卒業まで運動ができませんでした。その反動からか高校に入ったら運動部に入ることに決めていました。そして、中学校までは部活にはない種目であること、できるだけ体を鍛えられそうなことからラグビー班を選びました。

ラグビーは観戦するのは面白いが、危険なスポーツで自分がやるものではないという印象を持つ人が多いと思います。体が大きくて走りが早く、敏捷に動ける人、人一倍頑健でないとできないのではないかという印象を持っている人は多いのではないでしょうか。私もそういう思いの一人でしたが、中学まで運動できなかった者にとって無謀な挑戦かもしれないけど、とりあえずやってみることにしました。

練習は、はじめは辛く、筋肉痛がひどく歩くのも大変な感じでしたが、1か月もするとなんともなくなり体つきが変わっているのが感じられ、いつの間にか最近まで運動できなかったということも忘れ、チームに溶け込めるようになっておりました。

といっても、走るのも速くなく、体も小さい自分が、ちゃんとやっていけるのかという不安はありましたが、ラグビーという競技には、ポジションによって役割がそれぞれあり、各自の特性に合った役割のポジションがあるのです。足の速い人、体が大きく力の強い人は当然有利ではありますが、それ以上にそれぞれの役割をちゃんとこなすことが、チームのためになる。そういう競技です。運動に自信のない人でも十分にやっていけます。私は、スクラムハーフというポジションを受け持ち、速さよりも継続した走りと正確なパスが最低限の役割と考え練習に取り組むことにし、3年間続けることができました。

また、ラグビーというと、選手同士がぶつかり合うので、怪我が心配とか怖いといったイメージを持たれることも多いかもしれませんが、実感としてそれほどでもありません。安全重視のルールがしっかりしていますし、道具を使わず生身の人と人がぶつかるのですから、余程のことがない限り大きな怪我にはなりません。そして、怖がらず、勇気をもって行うことが怪我をしにくく、しかも良い結果が得られることに気づくはずです。

よく、ラグビーを社会活動や会社組織にたとえることがあります。チームのために責任をもって自分の役割をこなすということが似ているということからでしょう。練習が辛くなって休みたいと思うこともあってもチームのために頑張ろうという気持ちに自然となってきます。こういったことの積み重ねが財産になっていくと思います。

実感として、学校生活、卒業してからもいろいろな局面でラグビーを頑張ってきたことがよかったと思うことが少なからずありました。一生の付き合いとなる良き仲間、友人もできました。

みなさん、興味持ってもらえたなら、ぜひ一度練習を見に来てもらえればと思います。

これから運動をやってみたいと思っている人も、走りに自信ある人もない人も、体が大きい人も小柄な人も、どのような人でも受け入れられるスポーツがラグビーです。

きっと、ラグビー班が気に入ってもらえると思います。

 

転載:野口(1985卒)

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