活動報告・トピックス

REPORT & TOPICS

2025.04.11「右手のひらにラグビーのラの字が!」平成20(2008)年卒 尾中 友哉

 

 

膳所高校にご入学された皆さん、ご入学おめでとうございます。

私は2008年に膳所高校を卒業した、ラグビー班OBの尾中友哉と申します。

在学中、私は全国大会まであと一歩というところまで仲間とともに挑戦しました。3年間を通じて、本当に素晴らしい仲間と、かけがえのない経験を得ることができました。

現在は「サイレントボイス」という法人を立ち上げ、耳の聞こえない子どもたちの教室や、聞こえない人が働く環境をより良くする事業に取り組んでいます。

かつて「かわいそうな人」「助けられる存在」と誰もが疑わなかった“聴覚障害者”という存在は、SDGsの広がりやITの進化によって、できることが大きく変わってきています。

挑戦の道を選んだ今の私にとって、ラグビーから得たものは大きな財産です。

ラグビーは、ボールを後ろにしか投げられませんが、「前に進む」スポーツです。

人と人が力を合わせ、支え合いながら前に進むとはどういうことか――それを身体に刻み込むような競技でした。

当時の監督からの「他人に依存することを皆が考えると、チームが共倒れする。まず自分が立て」という言葉が今も忘れられません。

試合中、何度も「もう限界だ」と思う瞬間があります。でも、同じ状況で戦う仲間の姿に励まされ、何度も立ち上がる。「自立」そのものや、その大事さを頭と身体で知りました。

ラグビーを離れ社会に出た今も、同じことが常に問われていると気づきます。

膳所高校で進学を目指す中、部活にラグビーを選ぶというのは、厳しい道かもしれません。

でも、だからこそ得られる刺激と成長は、想像を超えるものがあります。

何より、社会へ出て最も求められる能力は何でしょうかーーそれは、学校のテストや入試とは異なり「正解」のない課題に答えを見つけるために、周りの人たちと一緒に時に苦しんで、皆が納得できる答えを見いだせる能力ではないか。ラグビーには楕円球との縁つながり、楕円球が結ぶ交流は、様々な困難や壁を容易に越えることを、強く強く実感する貴い日々、挑戦する価値が、きっとあるはずです。

ぜひ、ラグビー班の門を叩いてみてください。

私は今も、そしてこれからも、ラグビー班で活動した貴い日々を誇りに思っています。

応援しています!

 

☆★尾中友哉さんの活躍については、下記リンクも是非ご覧ください!

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220118-OYT8T50097/

https://tedxkobe.com/speaker/speaker0052/

 

掲載:野口(1985卒)

2025.04.10「無限の価値」令和6(2024)年卒 北村 遼介

3年生の秋季大会までラグビーをプレーし続けて、現役で京都大学に合格

 

僕はラグビーから、そして、BLACK BUCKSから多くを得た。

まず、僕が手に入れたのは、居場所であり、仲間であった。入学当初、ラグビーはおろか部活にも興味はなかった。先輩に声をかけられてグラウンドに向かったことに、とくに理由もなかった。しかし、幸運にも僕はやっと膳所高校で居場所を見つけられた。そこで出会った仲間とともに切磋琢磨しあえる日々が始まった。

日々の練習の中で、徐々に僕はラグビーの楽しさに気付き、ラグビーが好きになっていった。ラグビーの醍醐味としてよく激しいコンタクトが挙げられるが、まさしくその通りであり、勢いをつけて全身でぶつかり、一歩でも前へ進もうとする爽快感は計り知れない。僕は、右プロップというポジションであり、スクラムの支柱を担っていた。プロップは肉体的にハードなポジションであり、嫌気がさしたことも幾度かあった。しかし、相手のプロップとの駆け引きを制し、スクラムに勝った時の喜びに勝るものはない。

ラグビー班で充足した時間を過ごしていたが、それも終わりが近づいた。春の大会で引退するか秋の大会まで続けるかという決断を迫られた時、最初に思ったことは、この日々が終わってほしくないということだ。しかし、進路に対する不安や、部活を続けることが進路に対する逃げになっていないかという疑念が決断を妨げた。それでも、ラグビーが好きだという思い、最後まで戦い抜いて見られる景色を見てみたいという思いから、班活動を続けることを決意した。

秋季総体は初戦敗退で終わった。八幡工業へのリベンジの舞台に立っことすらできなかった悔しさも確かにあった。だが、それ以上に最後まで戦いきれたのかという悔いが残った。秋季総体前、たとえどの試合が最後の試合になっても悔いを残さないくらいに、全力で戦いきろうと考えていた。それなのに、スクラム、ラインアウト、コンタクト、どれをとっても自己満足できるものではなかった。日々の練習で、自分に対して甘すぎたことを痛感してももう遅かった。

三年間の高校生活を終えて、僕がBLACK BUCKSから得た最大の財産は、「BLACK BUCKSの一員だ」という誇りであり責任感だ。BLACK BUCKSの価値を高める行動をとらなくてはならないという考えが、高校生活の支えになった。現役の時にも、「膳所の3番」であることを誇りに感じていたが、不思議な事に、この思いは引退してから一層強まった。

膳所高等学校ラグビーオールドボーイズ倶楽部会誌「とらい」No.46から転載:野口(1985卒)

2025.04.09「ラグビーは人生の縮図」昭和26(1951)年卒 貴田 哲弘

マスターズ花園2022の開会式でも「Master  of  Masters / マスター・オブ・マスターズ」と称賛され、唯一の黄金パンツを身に着け最高齢出場者の表彰も受けたZRFC1期生の貴田哲弘さん――。先ずは、貴田さんが取材を受けた報道(読売、中日、毎日、共同通信、MBS毎日放送、YTV読売テレビ)なども改めて振り返り、そして現役&未来のZRFC後輩への貴田さんのメッセージを《パス》として繋ぎます。残念ながら、貴田さんは2023年9月第2回マスターズ花園の直前に逝去されました。

Q:ラグビーの魅力って何ですか?

貴田さん:一口には言えんな。でも、ラグビーに人生の縮図がすべて詰まっている気がする。人間の人生とよく似ている。1人1人自分の仕事をやって次々と連係プレーの中で社会が成り立っていく。それと同じやんか。元気の源もラグビー、(パスで)次の人に自分の仕事を渡すときに、いい仕事を渡してやりたい。トライでもしてくれたらこんなにうれしいことはないわな。自分がトライするよりももっとうれしいわな。

ほんとうに人生そのもの。試合の中でうまくいくときもあれば、うまくいかないときもある。自分が納得したプレーをしても試合に負けることもある。自分のプレーに満足できる出来でなくても勝ってしまうこともある。自分ひとりでは何もできない。チームや仲間がいて自分も頑張れる。自分が頑張ってチームや仲間の窮地を救いサポートできることもある。人生どちらに転ぶか何処へ行くか楕円球のラグビーボールと同じ。それでも、努力することで楕円球が転がる方向も予測したり時には決めたりすることさえもできる。努力や献身、そして何よりフェアであることの貴さが、ラグビーをやれば身をもって、ほんとうに理解できると想う。

 

Q:現役チーム・未来のZRFCにメッセージ

貴田さん:ラグビーで培った心身の強さやノーサイドやフェアの精神、また身体が小さかったり弱かったりしても仲間と工夫・鍛錬・意思統一し、勇気や全力を出し切ることができた方法論や自信、そして爽快感は、その後の人生にもきっと生きる。ラグビーをやって良かった、そう思える日がきっと来る。伝統の「諦めない、走りきる、頭を使う、そして何より楽しむ」という姿勢で、膳所高ラグビー班ZRFCのパスを共に未来へ繋ごう!

≪参考≫

MBS毎日放送 https://www.mbs.jp/news/feature/kansai/article/2022/10/091297.shtml

20221004【読売新聞夕刊】マスターズ花園にトライ〜91歳現役ラガーマン(ZRFC1期生・貴田哲弘さん記事)

20221005【中日新聞朝刊滋賀版】91歳 花園で楽しさ追求 膳所高OB 大津の貴田さんマスターズへ〜部員減に悩む後輩にエール

20221124【秋田魁新報(共同通信配信)】「マスターズ花園」91歳ラガーマン、輝き健在

 

転載:野口(1985卒)

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